どこからともなく現れた身元不明の少女を保護したパウラ。やがて、心に傷を抱える少女の奇妙な行動に隠された、彼女の正体と暗い過去を探り始めるが…。

Netflix

作品情報

製作国:スペイン

上映時間:107分

ジャンル:サスペンスミステリー

監督:イグナシオ・タタイ

脚本:イザベラ・ペーニャ、イグナシオ・タタイ

出演者:エレナ・アナヤ、パブロ・モリネーロ、エバ・テネアル、カルロス・サントス、エヴァ・リョラッチ、エステル・アセボ、エロイ・アソリン

あらすじ

どこからともなく現れた身元不明の少女を保護したパウラ。クララという名前でパウラと暮らし始め、パウラに心を開き始めるがチョークで描いた白い線の枠から外に出ることができない。外に出るよう仕向けるとわめいて暴れてしまう。

また、家では食品に異物が混入するなど不可解な事件も発生。心に傷を抱える少女の奇妙な行動に隠された、彼女の正体と暗い過去とは。

レビューサイトの評価

Filmarks★3.5
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ネタバレ有りの感想

最近よくNetflixのドラマや映画で散見する地下室での監禁、というテーマでした。最後に順調に伏線が回収されていくのでミステリ好きにはおすすめの作品です。

クララの正体とは

12歳で誘拐され行方不明になっていた少女(イングリッド・モラン)が犯人に監禁・強姦され産まれた子供が謎の少女、クララでした。母親は既に殺害され身元不明の遺体として検死され、腎臓が悪い点がクララに遺伝しています。

クララが病院で”クララ”という名前に反応したのは、少女(イングリッド・モラン)の母親がクララという名前だったからです。

クララが道路で発見された理由とは

犯人(パウラの隣人のエドアルド)がクララを解放したのは病院で専門医に治療を受けさせる為です。白線の上を真っ直ぐに歩いていけば警察の検問に辿り着き保護されると考えたから。まさかその前に隣人パウラ夫妻が保護するとは思っても見なかったでしょう。

クララとパウラ夫婦を引き離すため、犯人はジャムにガラスの破片を混入させたり問題を起こしたようです。しかしパウラはクララを信じて疑わなかった。そこは犯人も予想外だったと思います。

白線の中でしか生活出来ないのはなぜか

そもそもなぜクララは白線の中でしか生きられないのか。それは終盤に犯人がチョークで線を引くシーンから明らかです。

地下室で生まれ、育ってきたクララは犯人から絶対的な服従を強いられていた。破ったら罰があったことは、クララがパウラに囁いたワードから読み取れます。白線は絶対に超えてはいけない。超えたら罰がある。幼少期にそう育てられてきたクララには、あの白線はたったの一度も超えたことがなく、それを周りの大人から強制されるのは大変なストレスだったことでしょう。

そのバックボーンを想像した上で、クララが自ら線を足して地下室から脱出し、シモン(パウラの夫)の名を叫びながら一歩を踏み出すシーンはとても感動的でした。だからこそ犯人の妻に再び連れ去られた時は絶望しますが、機転の利いた捜査のおかげで無事ハッピーエンド、という結末に安堵しました。

まとめ

海外の映画には地下室がつきものだな、と様々な映画を見る度に思います。

音楽や効果音からもとてな不安な心境になるような良い演出でした。過度すぎず、かといって不自然なわけでもなく。

スペイン映画はあまり見たことがないのですが、他にも観てみたいなと思いました。おすすめがあったらコメント欄からぜひ教えてください。

ではまた。