戦争により廃墟と化し、気候変動により氷に覆われたスウェーデン。生き残りの兵士たちは最後の希望を背負い、危険極まりない任務に乗り出す。

Netflix

Netflixで配信中の戦争サスペンス映画『ブラッククラブ』。
極寒の海を舞台にした“極秘ミッション”という設定が魅力的な一方で、
「つまらない」「モヤモヤする」といった声も多く、評価が大きく分かれる作品です。
本記事では、そんな『ブラッククラブ』について

  • ネタバレありの結末解説
  • 評価が分かれる理由
  • 本当に面白いのか?

を分かりやすく解説していきます。

後半はネタバレがありますのでご注意ください。

3秒で分かる評価

雰囲気:★★★★★

緊張感:★★★★☆

ストーリー:★★★☆☆

総合評価:★★★★☆

『ブラッククラブ』作品情報

制作国:スウェーデン 上映時間:110分

監督:アダム・バーグ 脚本:アダム・バーグ 原作:Jerker Virdborg

出演者:ノオミ・ラパス、アリエット・オプハイム、ダール・サリム、ヤーコプ・オフテブロアル、ダラン・エスマイリ

キャストについて

ノオミ・ラパス キャロリン・エド役

ノオミ・ラパス キャロリン・エド役
引用:Netflix

2022年12月現在公開中のLAMB/ラムミレニアムシリーズアンストッパブルなどに出演するスウェーデンの女優。本作では大掛かりなアクションシーンはありませんが、銃撃戦や捨て身の作戦に参加するなど強く芯のある女性を演じています。

ヤーコブ・オフテブロ ニールンド中尉役

ヤーコブ・オフテブロ ニールンド中尉役
引用:IMDb.com

ホロコーストの罪人などに出演するノルウェーの俳優。主人公エドと作戦に参加する軍人役を演じます。

ネタバレなしあらすじ

戦争によって荒廃した世界。
主人公の女性兵士カロリーネは、極秘任務を命じられる。

それは、凍結した海をスケートで横断し、敵地へ“ある荷物”を運ぶという危険なミッションだった。

限られた時間、過酷な環境、そして敵の脅威。
命がけの任務の先に待つものとは——。

Netflix

スウェーデンを舞台に描かれた戦争映画となっており、全体的に暗いトーンの本作。笑えるシーンやエンタメ要素は全く無く、戦争に駆り出された一般人の極限状態を描く社会派な作品となっています。

戦争の悲惨さやリアルな銃撃戦のシーンもあり、年齢制限はありませんが観覧に注意が必要です。

ネタバレ有りのあらすじ

命がけの極秘任務に参加

キャロリン・エド

娘と一緒にいたところを襲われ引き離されたキャロリン・エド。戦闘員となった彼女は戦争に勝つため、凍った海をスケートで渡り200km離れたアーダーの研究所まで”小包”を届けるよう命じられます。蟹のように黒い海を越える、通称”ブラック・クラブ”作戦。

エドはそんな作戦は自殺行為だ、と反対するもアーダーに着けばすぐに娘ヴァニヤと再会できると言われ、命をかけてでも成功させることを誓います。

集められたメンバーはエド、フォルスベリ大尉、ニールンド中尉、グランビク、マリック、カミリ伍長。かつて民間人だったメンバーにはそれぞれの思いがありました。

  • カリミ伍長:F28部隊に恋人を残して本作戦に参加。作戦が成功したら恋人と結婚したい
  • グランビク:かつて虐殺から逃れた過去を持つ
  • マリック:弟と再会してアイスホッケーの試合が見たい

それぞれに事情を抱えながら二つの小包を託され任務が開始。果たして無事成功するのか。凍った夜の海上をスケートで滑って進みます。

一人、また一人命を落としていく

開始早々、小包を持ったフォルスベリ大尉がひび割れた氷から海中に落下し死亡。エドは冷たい海に飛び込み、小包のみ回収します。

その後、避難指示が出ているエリアで避難せず暮らし続けていた老夫婦宅にたどり着いた一行はもてなしを受けますが、エドがテーブルの下のマシンガンを発見し銃撃戦となってしまいカリミ伍長は流れ弾を浴び命を落とします。直後にF28部隊にいる恋人から無線で連絡が来るも応答することはできませんでした。

その後も氷上を進み、敵のヘリコプターから銃撃を受け、マリックが腹部を負傷。なんとか座礁した船に避難しますが、マリックはメンバーの足を引っ張ることを気遣い自死を選びます。

一人、また一人を命を落としていく中、エド・ニールンド・グランビクの3人は戦争を終わらせる鍵となる小包が生物兵器だということを知ってしまいます。ニールンド中尉はそれを使用すれば周辺の自国の難民にまで被害が及ぶ、と考え氷上で破棄しようとエドから小包を奪って逃走してしまいます。

エド・グランビク

残されたエドとグランビクは10人ほどの敵兵に囲まれ、なんとか倒すもグランビクは手榴弾で死亡。エドは腹部に傷を負っていましたがニールンドの後を追い、右腕を撃ち小包を奪い返します。手足の指を凍傷で失い、腹部の傷が痛む中、命からがらアーダーまで小包を持ち込むことに成功し、作戦の最初のフェーズは終了します。

娘ヴァニヤとの再会は

アーダーで治療を受けたエドは少尉に昇格するも、娘ヴァニヤがアーダーにいるというのは嘘で、エドに命懸けで任務を成功させるため司令部がついた嘘だったことを知ってしまいます。

娘ヴァニヤが基地にいないとなれば、基地周辺に難民としていることも考えられる。生物兵器が使われればヴァニヤに危険が及ぶと思ったエドは、生物兵器を奪還し処分しようとニールンドと手を組みます。警備兵を倒し、科学者を脅し、裏切り者と叫ばれながらも生物兵器を奪い返したものの、最後の最後で兵士たちに囲まれてしまいます。

エアポートで追い詰められたエドは手榴弾と兵器を手にし、自ら海に飛び込み兵器と共に自爆する道を選びます。

ラストは海中でヴァニヤと抱き合うエドの姿が神秘的な映像で描かれます。

主人公が亡くなって一見バッドエンドのように見えますが、ヴァニヤを守って再会する、この世界では一つのハッピーエンドなのでは、と感じました。

エドの心境の変化とは

前半はヴァニヤに会いたい一心で、エドが命懸けで任務を成功させようとする姿が描かれます。例え味方が目の前で殺されようと、生物兵器を届けることにより自国民も巻き込まれたジェノサイドが行われることになろうと、とにかく娘に会いたいと願う母親の強い気持ちが表現されています。

しかし後半は一転、生物兵器を奪還し破壊することを目指すエド。元々軍人ではない彼女は、常に自分にとって優先すべきこと(ヴァニヤ)を軸に行動します。

随所で母娘仲良く暮らしてきた日常が戦争によって壊されていく様が描かれており、一貫して様々な背景や事情を抱えながら戦争に参加する一般市民を描いた作品となっています。

2022年12月現在、ロシアとウクライナ間での戦争が報じられる中、一般市民が戦争に加わるというのはどういうことかを垣間見れる作品であると感じました。

正義とは、勝利とは

軍人が戦争に参加する映画は数多くありますが、もともと一般市民だった人が出兵する映画は多くないのではないでしょうか。軍人であれば自国のために尽くす、というのが当たり前に描かれますが、それが一般市民だった場合はどうでしょう。その他大勢の命よりも個人の利益を追求してしまうのでは?と本作を見て思いました。

ウイルス兵器が使用されず、娘とその他大勢の命が救われることになりましたが、ウイルス兵器が使用されなかったことにより敗北し、支配されジェノサイドにあう可能性も考えられます。バッドエンドのように見えてハッピーエンド、それともバッドエンドなのか…。個人の正義、国家の勝利、揺れ動く心情がリアルに表現されていて、考えさせられる作品となっています。

つまらないと言われる理由

ストーリーが単調

本作は凍った海の上を移動するシーンが多い構成となっています。
そのため、舞台の変化や大きな展開が少なく、物語に起伏を感じにくい構造になっています。

サスペンスとしての“山場”が連続するタイプではなく、じわじわと進む展開が中心のため「何も起きない時間が長い」と感じる人も少なくありません。

爽快感が弱い

終盤に向けての展開はシリアスで重く、いわゆる“スッキリする結末”ではありません。

むしろ、任務の意味への疑問・報われなさ・道徳的な葛藤といったテーマが前面に出るため、観終わったあとに残るのは爽快感ではなく重たい余韻です。この「モヤモヤ感」が評価を分ける最大の要因とも言えます。

面白いと感じるポイント

極寒×氷上の緊張感

本作最大の魅力は、凍った海の上をスケートで進むという特殊な設定です。

  • 一歩間違えれば氷が割れて即死
  • 逃げ場のない開けた空間

という極限状態が常に続くため、派手なアクションがなくても持続的な緊張感があります。「静かなのにずっと怖い」という独特の没入感は、本作ならではです。

映像美が圧倒的

一面に広がる氷の世界は非常に美しく、同時にどこか不気味でもあります。

  • 無音に近い雪原
  • 冷たい色味で統一された画面
  • 人の気配がほとんどない荒廃した世界

これらが合わさることで、“終末感”のある独特な空気感が作り上げられています。ストーリー以上に「雰囲気を味わう映画」としての完成度はかなり高いです。

リアル寄りな戦争描写

本作はヒーロー的な活躍や派手な勝利を描く作品ではありません。むしろ、

  • 任務の理不尽さ
  • 命の軽さ
  • 個人の意思が無力である現実

といった、戦争の“地味で残酷な側面”にフォーカスしています。そのリアリティが、作品全体に重みを与えています。

「余韻を楽しむタイプの映画」として優秀

本作は明確な答えやスッキリした結末を提示する作品ではありません。その代わりに、

  • 任務の意味は何だったのか
  • 彼女の選択は正しかったのか
  • 戦争における“正義”とは何か

といった問いを観る側に委ねています。そのため、鑑賞後に考察したり、誰かと語りたくなる“余韻型の映画”としての魅力があります。

こんな人におすすめ

『ブラッククラブ』は以下のような人におすすめです。

  • ダークで重い作品が好き
  • 雰囲気重視で映画を楽しみたい
  • ハッピーエンドでなくてもOK

逆に、

  • スッキリした結末を求める人
  • テンポの良い展開が好きな人

にはあまり向いていません。

まとめ

Netflix映画「ブラック・クラブ」は氷上を蟹のようにスケートで進み、

命がけの任務に挑む兵士たちを描いた戦争映画です。

絵に描いたようなハッピーエンドではありませんが、リアルで生々しい描写と戦闘シーンで一度は見ていただきたい作品です。

私の評価は7/10点です!

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ここまでお読みいただきありがとうございました!

ではまた。